小児喘息(小児気管支喘息)

小児喘息(小児気管支喘息)とは

小児喘息とは、口や鼻から肺へと空気が通る気道が炎症を起こすことで、健康な人に比べて気道が狭くなり咳や痰がでたり、ゼーゼー、ヒューヒューといった呼吸がしにくくなったりする病気です。

小児喘息の症状の特徴

小児喘息の症状の特徴として下の様なこと挙げられます。

  • 風邪の症状は治っているが、ゼーゼー、ヒューヒューといった呼吸のしにくさが残る
  • 遊んだり、運動をしたりしたときなどに症状が現れる

小児喘息のメカニズム

小児喘息の原因は空気の通り道である気道の炎症です。喘息発作が起きていない時にも気道の炎症は起きており、外部からの刺激に過敏な状態になっています。そこに刺激が加わると、炎症が更に悪化し、気管支の中の気道(空気の通り道)が塞がって止まらない咳や喘鳴などの症状が現れます。

気管支の構造

小児喘息でお父さん・お母さんが知っておきたいこと

・喘息発作はできる限り早くみつけましょう。
気道の炎症の原因である花粉・ダニ・ハウスダスト、たばこの煙などに気づかず触れさせてしまうと、悪化してしまうこともあります。

・喘息治療は根気強く行うことが大切です。
お父さん・お母さんの判断で治療をやめてしまうのは絶対に避けるようにお願いします。

小児喘息と一緒に気をつけたい病気

小児喘息はアレルギー反応が原因になることが多く、アレルギー性疾患の1つに数えられます。よって、アレルギー体質の方はアレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎など他のアレルギー性疾患と合併しやすいため注意が必要です。
また、「One airway, One disease」という鼻と気管支は繋がっていて、鼻の病気と喘息とは密接に関連しているという考え方があります。

小児喘息の治療方法

当院では、以下の様な流れで小児喘息の治療を進めていきます。

1)問診、診察

まずは問診にて、喘息の症状として思い当たる症状や普段の生活環境などを聞かせていただきます。また、既に喘息と診断されている方でも喘息の発作をコントロールするために、現在どういう状態か把握することはとても大切ですので、症状の経過等をお話しいただきます。

2)検査

当院では喘息の診断や重症度の確認のために次の様な検査を行っております。

・血液検査
血液中の好酸球数を調べたり、アレルギーの原因物質を調べたりします。

3)治療

小児喘息の治療では、気道の炎症を抑えるために、喘息は発作が出ている時だけでなく、発作が出ていない時のケアも大切になります。当院では喘息の発作をコントロールできるように、喘息の症状の重症度に合わせて、気道の炎症を抑える薬や気管支を拡げる薬を処方します。薬の種類は、吸入薬や飲み薬、貼り薬、注射薬などがあり、患者さんのご希望や生活スタイルに合わせてご相談しながら決めさせていただきます。

・ネブライザー(吸入薬)
薬を霧状にして吸い込むことで、気管支まで薬を直接届けることができます。自然に呼吸をしているだけで薬を吸入できるので、赤ちゃんや小さいお子さんなど小児喘息の治療に適しています。喘息発作時だけでなく、発作のない時にも吸入できます。

こんな時はどうすればいいですか?

・風邪は治ったけど、咳だけがずっと続いている
⇒風邪の症状が治ったけど、咳だけが1ヶ月以上続く場合は、喘息の可能性があります。適切な治療を行うことで喘息を予防することも可能ですので、一度当院までご相談ください。

・子どもが喘息の場合、大人になっても喘息の症状は続きますか?
⇒大人になってからの喘息はなかなか完治しないことが多いため、子どものうちから適切な治療を行い症状のコントロールが大切です。お子さんで咳や呼吸に気なる症状があれば、ご相談ください。

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